「東大戦総括」・・・風戸啓希(主将)


 先日8月30日に一橋大学陸上競技場にて第57回東京大学・一橋大学対校陸上競技大会及び第13回東京三大学女子陸上競技大会が行われました。
 我が一橋大学は歴史と伝統のあるこの対校戦での勝利を目指し長年闘って参りました。今年は男子総合優勝とともに日頃から共に活動を行っている津田塾大学の女子総合優勝を目標に掲げ闘いました。以下では、対校戦種目を中心に振り返らせて頂きます。

<トラック>
100m…この種目は例年になくハイレベルな戦いが予想されました。 エントリー時点で6人中5人が関東インカレの標準記録を突破し、両大学とも今シーズン勢いのあるメンバーが揃いました。 風戸君 一橋大学からは学内歴代1位の松島(3)、4位の山上(4)、そして期待のルーキー小口(1)がスタートラインに立ち短距離全員の思いをこのレースにぶつけました。レースは松島が加速局面で抜け出し冷雨の中10”99で三商戦に続き優勝を果たしました。混戦となった2位争いは4人が100分の1秒の中にひしめき山上が3位、小口が5位となりました。
小口は10秒8台のベストをもつ選手達と互角に戦い今シーズン中に関東インカレの標準記録突破が期待されます。

400m…両チームとも4年生不在となったこのレースでは100m同様混戦が予想されました。上村(2)、堀越(3)は三商戦に続いての出場、堀江(3)は練習での好調から急遽エントリー変更で出場しました。序盤から上村、堀江が東大勢にくらいつきましたが、終盤で東大勢2人に遅れをとり3位、4位。序盤から流れを作れなかった堀越は最下位に沈みました。 層の厚い短短に比べ、短長は実力不足が嘆かれるので、パート一丸となってこの状態を打破し秋シーズン以降の飛躍に繋げてほしいです。

1500m…昨年度の覇者である風戸(3)の連覇、そして神村(4)・馬場(3)がそれに続いて互角に実力者揃いの東大と渡り合うことが期待されたこの種目では、スタート直後から風戸が勢い良く飛び出しました。後続と50m近い差をつけこのまま逃げ切れるかと思われた1000m付近でアクシデントが起こり、失速。そのまま立て直すことが出来ず最下位に沈みました。 レースは終盤東大3人と神村の争いとなりましたが、競り負け、東大と大きな差をこの種目でつけられてしまいました。

5000m…14分台3人とこの種目も実力者が揃い想定通りのハイペースな展開になりました。大会新を大きく上回るペースで東大注目のルーキー近藤が引っぱり続け、2000m前で独走になりそのまま大会新で優勝。中盤にひとまとまりになった後続集団はラスト1周勝負になりましたが、一橋勢は引き離され1500mに続き東大に大きく負け越す結果となりました。ライバル視している東大との直接対決でのこの結果を受け、箱根予選会に向け、立て直しが急務となります。

110mH…戦力分析の段階から厳しい戦いが予想されましたが、実力がそのまま反映される結果になしました。東大に上位を独占され、大きな実力差を見せつけられました。しかしながら、今年の春からハードルに取り組みはじめた安藤が自己ベストを短縮し今後の試合での更なる活躍が期待されます。内田も本職の400mHがある秋の対校戦に?がる走りをすることが出来ました。

4×100mr…全日本インカレを直後に控え、エース格の選手を温存した東大に対しベストメンバーで組んだ一橋は個々が持てる力を発揮し、バトンパスに課題を残したものの大差をつけ優勝を果たしました。記録は冷雨もあって低調でしたが、今のメンバーで今年中に短距離パートの目標である「全日本インカレの標準切り」を是非達成してほしいです。

4×400mr…最終種目となったマイルリレーでは1走上村、2走松島で大きなリードを作り、3走堀越、4走堀江が逃げ切り東大に先着しました。しかしながら、2走から3走へのバトンパスの段階で走路妨害の判断が下り、失格という結果になりました。今後の対校戦ではこうしとことが起こらないようにしなければならないです。

<フィールド>
走幅跳…雨の中足合わせがうまくいかずに苦しむ選手が多かったこの種目。 風戸君 小口(1)・矢野(2)は7m越えのジャンプも期待されましたが、それぞれ6m中盤にとどまり2位・4位となりこの種目でも東大に勝ち越しを許してしまいました。跳躍種目は徐々にではありますが、層が厚くなってきているので秋シーズンで7mの大台に乗せ、来年のこの試合でのリベンジを期待したいです。また4年の永井が5月の国公立戦以来の公式戦に出場し、この日の試合をもって引退となりました。

走高跳…一橋大学からは中山(2)のみの出場となりました。2m11cmの自己ベストをもつ東大の福永(3)以外に勝つことを目指しましたが、雨の中本来の伸び伸びとした跳躍をすることが出来ずに1m75cmで3位にとどまりました。選手層が薄い種目では1人の調子に結果が大きく左右されてしまうので二番手以降を来年に向け早い段階から育成する必要性があることを感じました。

円盤投…激しい雨の中本大会の最初の種目として行われた円盤投ではリスト1位の東大奥村(3)が怪我により3位に沈み、4年竹内に優勝に期待がかかりましたが、東大土井が大きく自己ベストを更新され、2位となりました。安定して結果を残せているので名大戦でのビックアーチが期待されます。また2番手以降は4位・5位でしたが山口(1)が順調に力をつけ雨天の中自己ベストをマークしております。

砲丸投…円盤投同様激しい雨でサークルがスリッピーな難しいコンディションであったため、選手の多くが本来の実力を発揮出来ずに苦しみました。そんな中で岡嶋(4)が9m51cmのシーズンベストで2位に食い込みました。また、井手(2)も8m38cmの自己ベストをマークし、この種目での底上げが図られていることを示しました。

やり投げ…東大奥村と一橋矢部(2)の60m越えのハイレベルな争いが予想されましたが、奥村が棄権し、矢部が貫禄の勝利。国公立、三商二続き今シーズン三勝目を挙げました。また橋(4)が序盤から2位につけ、田代(3)が初得点を獲得するなどこの種目でフィールド種目唯一の勝ち越しを果たすことが出来ました。

<全体の総括>
 今回の東大戦は男子総合優勝を目標に戦いました。しかしながら結果と致しましては38対72の大きな差をつけられて敗北しました。優勝種目、勝ち越した種目ともに100m、4×100mリレー、やり投げにとどまり例年以上に力の差を東大に見せつけられてしまいました。雨の中本来の実力を発揮出来ない選手も多かったですが、条件としては東大も同じであり、そもそもの地力が今回の結果の根本的な原因だと考えられます。関東インカレ1部昇格を本気で目指し、個々ではなく集団として切磋琢磨しあいお互いの能力を高めあうことが出来ている東大との差は得点差以上に大きいのも確かです。来年のこの試合で勝つには今からの準備が必要であり、関東インカレや全日本インカレといったより大きな舞台で結果を残していくことが絶対条件になると思います。また中長パートには箱根予選会や荒川駅伝と今シーズン中に東大と競い合えるチャンスが残っております。この夏の走り込みの成果を十二分に発揮してもらいたいです。

 また今回は津田塾大学が東京女子三大学対校陸上競技大会を制覇しました。日頃からともに練習している仲間達が活躍する姿に大きな刺激と感動を受けました。来年は新入部員の確保により一層力を入れ、一橋大学もこの大会で優勝を目指せるチーム作りをしなくてはなりません。

 最後に今回主管ということで多くの方々の協力を得て対校戦を無事に終えることが出来ました。補助員や審判員として運営を支えて下さった方々、それから雨天の中選手を応援サポートしてくださった方々全ての方々に感謝しております。この場をおかりして現役部員を代表して御礼申し上げます。直近に控えている秋の対校戦では結果でご期待に応えられるよう部員一同全力となって挑む所存ですので今後とも宜しくお願いいたします。