「東大戦総括」・・・山上 紘幸 (主将)
1、はじめに
8月30日、東京大学駒場キャンパス陸上競技場において、第56回東京大学・一橋大学対校陸上競技大会および第12回東京三大学女子対校陸上競技大会が開催された。当日は、悪天候が予想されていたが、幸いなことに雨に降られることもなく、涼しい環境の中で競技を行うことができた。東大側も本気のエントリーをしてきており、お互い全力でのぶつかり合いが予想された。
2、トラック種目 結果
男子100m
この競技は、朝一で行われた。こちらとしては、スコンクをしてチームにいい流れを呼び込みたいところであった。しかし、松島(2)と山上(3)がスタートで出遅れ、後半の追い上げも実らずそれぞれ10”99で3位、11”04で4位に終わった。優勝は後半追い上げた児玉(4)が10”89で果たした。二年連続の優勝であった。
男子400m
前半、東大の小西(3)が積極的に飛ばしレースを引っ張る展開となった。三宅(4)がラスト100mで凄まじい追い上げを見せたが100分の1秒及ばず49”46で2位、矢野(3)も3位争いに競り負け50”45で4位に終わった。鈴木(4)は51”63で5位となった。
男子1500m
レース序盤から、東大が束となってレースを引っ張り、高速レースとなった。対校初出場の馬場(2)、柿沼(3)は必死についていこうとしたが、徐々に離され、風戸(2)と東大三人の争いとなった。残り300mのところで東大のエース軽部(2)がスパートをかける。風戸はそれについていきラスト50mで軽部をかわすとそのままトップでゴール。4’02”26での見事な優勝であった。柿沼、馬場は、力及ばずそれぞれ4’09”27で5位、4’14”75で6位に終わった。
女子1500m
一橋からは、熊谷(4)と今野(2)が出場した。津田塾の東海(3)がレース引っ張る展開となり、両名は、少し後方で二位争いを繰り広げた。その結果、5’18”93で二位に熊谷(4)、5’20”02で三位に今野(2)が入った。今回、対校戦に出場した一橋の女子部員はこの二名のみであり、対校戦では勝負ができない状態である。今後の新入部員の獲得に期待したい。
男子5000m
1500m同様、レース序盤から高速レースが展開された。澤武(3)がじわじわと先頭集団から離されていき、16’02”71で6位フィニッシュ。三好(2)も必死に食らいついたが三位争いに敗れ15’39”85で5位となった。優勝争いは、ラスト一周の時点で東大の渥美(3)と菊地(3)に絞られた。残り300mの地点で、菊地がラストスパートを仕掛けたが渥美を引き離すことができず、逆にラスト100mで渥美にスパートを決められ惜しくも15’29”06で2位でのゴールとなった。
男子110H
スタートで出遅れた河村(4)は、後半徐々に追い上げ二位に100分の4秒差で15”72で優勝。自分のレースができなかった中での優勝は見事である。内田(2)、竹内(4)は完全な力負けを喫してそれぞれ17”79で5位、19”47で6位になった。
男子4×100mR
個々の走力では完全に東大に勝っていた。しかし1、2走のところでバトンが繋がらず失格となってしまった。リレーの恐ろしさを再認識させられるレースとなった。このようなことは二度と起こすわけにはいかない。
男子4×400mR
1走の矢野(3)が前半飛び出し、東大との差をグングン広げていく、しかしラスト50mで失速し東大に少し遅れてバトンパス、2走の松島(2)は前半抑え目に入り、後半追い上げたが差を縮めることができず、そのまま3走へバトンパス。3走の鈴木(4)は、東大との差を維持したまま、バトンは、エース三宅(4)に。三宅は前半で東大を射程圏内に捉えるとラスト100mでかわし、見事トップでゴールした。これぞエースという見事な走りであった。3’18”67の大会新記録での優勝であった。
3、トラック種目 総括
男子トラックの結果としては、1位 東京大学(34点) 2位 一橋大学(26点)となり、最低条件として掲げていたトラックでの優勝を果たすことができなかった。原因としては、4継での失格や、2,3番手の選手が軒並み5,6位となってしまったことが挙げられる。上位層の戦力は充実しているだけに、2,3番手の選手の強化が早急に求められる。
4、フィールド種目 結果
男子走高跳
東大の福永(2)が大会新記録の2m05で優勝。ルーキーの中山(1)が1m80を跳び三位を死守した。矢野(1)は1m60、永井(3)は1m55でそれぞれ5位、6位に終わった。
男子走り幅跳
矢野(1)が5回目に6m49を跳び2位に立ったが、6回目で東大の西村(3)に6m90を跳ばれ惜しくも3位となった。永井(3)は、6m32を跳び4位、松山(4)は、実力を発揮することができず5m96で6位となった。
男子砲丸投
岡嶋(3)が2回目に10m31のベストを出し、3位に入った。山上(3)も、8m64のベストの投擲を見せ5回目まで4位につけていたが、6回目で、東大の三本(4)に抜かれ5位となった。三宅(4)は実力を発揮することができず7m81で6位に終わった。
男子円盤投げ
竹内(4)が実力を発揮することができず25m58で4位、高橋(3)が23m26で5位、井手(1)が20m41で6位となり、唯一のスコンク種目となった。まだまだ発展途上の種目であり、今後の活躍に期待したい。
男子やり投
矢部(1)が2回目で59m93の学内新記録で見事優勝、高橋(3)が48m58のセカンドベストで2位に入った。山上(3)は、38m21で5位に終わった。フィールド種目で唯一の勝ち越しとなった。
5、フィールド種目 総括
男子フィールドの結果としては、1位 東京大学(35点) 2位 一橋大学(15点)となり大きく負け越す形となった。しかし、矢部(1)、中山(1)、矢野(1)などルーキーの活躍が多く見られ、フィールドパートとして大きな転換点を迎えているように思える。ここ数年弱点であったフィールド種目が来年以降、得点源となりうる可能性を垣間見ることのできる結果であった。
6、最後に
東大戦当日は、たくさんのOBOGの皆様が、現地、東大駒場競技場までおいでくださりました。この場をお借りして心から御礼申し上げます。今年の東大戦に向けて、フィールドに新戦力が加わったこともあり、「今年こそ勝つ」という意識をもって部員一同この夏の練習や合宿を乗り越えてきました。しかし結果としては1位 東京大学(69点) 2位 一橋大学(41点) で28点差の敗北。 敗因としては、2,3番手の選手が軒並み東大の2,3番手に負けてしまったということが挙げられると思います。今後の課題としては、やはり、選手層に厚みを持たせることが考えられるでしょう。この課題を克服することは、容易なことではありませんが、次期主将にしっかりと引き継いでいきたいと思います。東大戦は終わりましたが、まだ秋のシーズンが続きます。今シーズン最後の二校対校となります名大戦での総合優勝に向かってチーム一丸となって練習に励んでいきますのでどうぞこれからもご支援のほどよろしくお願いいたします。
(2014年9月10日)