「旧三商大戦を振り返って」・・・辻村 瞭太(副将)


7月1日(土)に兵庫県尼崎市のベイコム陸上競技場にて旧三商大戦が開催された。 例年は猛暑に見舞われる本大会であるが、今年は時折雨が降り注ぐ不安定な中での試合となった。 結果は優勝の神戸大に続く2位となった。ここではその試合内容を概観していきたい。

トラック種目から振り返っていく。本大会最初の種目である110mH対校には上田(4)と河村(2)が出場した。 昨シーズンに関東インカレ標準を突破したものの今季調子の上がり切っていない上田であったが、 神戸大に続く2位となり意地を見せた。一方、河村はレース終盤で足を挫くというアクシデントに 見舞われながらも上田に続く3位でのフィニッシュを果たした。

続く1500m対校では斉藤(4)と石井(3)が出場した。レースは互いが互いを牽制し合うスローペースで始まった。 レースが動いたのは800mを通過してからであり、ラスト1周の鐘が鳴る頃には、先頭集団は 斉藤・石井・山西(神戸)・城戸(神戸)の4名に絞られていた。そして、残り100mで斉藤が飛び出すと、 石井もそれに続くようにスパートし神戸大の2名をかわした。見事ワン・ツーフィニッシュを成し遂げ、チームに勢いをもたらした。

次なる種目は400m対校。短距離のエース櫻井(4)と三宅(2)の故障により急遽出場となった鈴木(2)の2名が挑んだ。 持ちタイムでは昨年優勝の亀坂(大阪)が頭一つ抜けていたが、櫻井が懸命に食らいつき2位でゴールした。 一方、鈴木も前半から果敢な走りを見せた。ラストの大混戦で神戸大の2人に敗れこそしたものの、 この経験はこれからの対校戦のための重要な糧となるだろう。

100m対校には櫻井とここ最近好調ぶりを見せつける児玉(2)が出場した。森本(神戸)が記録・実績ともに突出しており、 神戸大2番手の田中に勝利できるかがこのレースの焦点となった。 しかし、櫻井は400mの疲労からか思うようなスタートができずに3位に留まった。 他方で児玉はというと、1ケ月前の国公立戦で記録した大学ベストを更新し、4位に食い込んだ。

続いて5000m対校には昨年と同じく新庄(4)と庄子(3)が出場した。 両名はそれぞれ昨年悔しい思いをしており、今大会での雪辱を胸に臨んだ。 レースは、スタート直後から昨年優勝の近田(大阪)と同準優勝の東(神戸)が飛び出し、 それを残る4名が追う展開となった。新庄と庄子が交互に第2集団を引っ張るという形で、 先頭集団との差を徐々に詰めていった。そして3600m手前で庄子が第2集団から一気に抜け出し、 前を行く2名を捉えそのままトップに立った。近田が先頭集団からこぼれたことでレースは庄子と東の一騎打ちとなった。 庄子は何度かスパートを試みるが、東は離れない。逆にラスト100mで東のスパートに対応できず2位となった。 新庄は、終盤で失速した近田を追い抜き3位に入ることで意地を見せた。1位こそ獲れなかったものの、 昨年から対校戦で5000mを引っ張ってきた両名が安定感のある走りを見せてくれた。

トラック最終種目の4×200mR対校には高崎(2)・櫻井・児玉・鈴木の比較的若い布陣で臨んだ。 1走・高崎が神戸大、大阪市大の後ろに付いて2走・櫻井にバトンを渡し、櫻井は満身創痍ながらも 懸命な走りで大阪市大に並んだ。そして3走・児玉がラストの直線で大阪市大を追い抜き、4走・鈴木が そのまま逃げ切って神戸大に続く2位に入った。ここ数年本種目では得点を獲得できておらず、 来年以降につながる結果を短距離勢が残してくれた。 また、昨年に続いてOB対抗の4×100mRが今年も開催された。一部アクシデントも見られたが、 各大学のOB・OG様方の力走は大いに場内を沸かせてくれた。来年以降の走りにも期待したい。

さて、次はフィールド種目を振り返っていきたい。初めに行われた砲丸投対校には上田と南茂(3)が挑んだ。 南茂は自己ベストとなる投擲を見せたが、それでも神戸大2名の壁は厚く3位に留まった。 また、短距離が専門の上田は普段のウエイト・トレーニングの成果を発揮し4位に入った。

棒高跳対校には、この種目をチームで唯一専門とする望月(4)と高校時代に出場経験のある永井(1)が臨んだ。 永井は走幅跳を控えており、5位に入ることを目標としていた。しかし2m60を跳んだ森(大阪)を捉えられず 惜しくも6位に終わってしまった。望月はベストを20cm更新し3m20まで跳んだが、2位三上(神戸)には10cm届かず3位となった。

続く走幅跳対校には、昨年からこの種目を牽引してきた佐野(3)と棒高跳からの連戦となる永井が出場した。 持ち記録からは混戦が予想されたが、都合良く事は運ばなかった。佐野は大野(神戸)との競り合いを制したが4位に終わった。 一方永井は先月の国公立戦では佐野に肉迫する跳躍を見せたが、 今大会では棒高跳の疲労から集中力を欠き6位に終わってしまった。両名の秋シーズンでの奮起に期待した。

やり投対校には中長パートの戸田(4)と短距離パートの河村が出場した。 戸田は就職活動から復帰して間もなかったが、40mに迫る投擲を披露した。 しかし、大阪市大・神戸大には及ばず4位となった。河村は110mHでの故障を押しての出場となった。 今季からやり投の練習を本格的に行ってきたが未だ発展途上であり6位に終わってしまった。 それでも得点争いにはしっかり絡み、秋以降の活躍が期待される内容となったのは確かだ。

次に行われたのは走高跳対校であり河村が欠場したため佐野は単身、格上の選手に挑むこととなった。 4位を目標とする佐野はここで勝負に出た。跳び始める高さをライバル森(大阪)の1m60に合わせたのである。 しかし、結果的にはこの作戦が仇となってしまった。佐野は1m60を3回失敗し、無念のNMに終わった。 対校戦の難しさを肌で感じた佐野には更なる精進を期待したい。

フィールド最終種目は円盤投対校である。持ち記録から福井(神戸)の1位は確実視されていたが、 意外にも福井の投擲は振るわず30mにも届かなかった。逆に、櫻井が自己ベストを更新することで1位をもぎ取った。 南茂もまた自己ベストの投擲で神戸大2番手の安田を退け、3位に食い込んだ。 悪天候の中、2名がしっかりと実力を発揮したことが好結果につながった。

今大会で、昨年の3位から順位を上げて2位となったことは評価できる。 しかし、神戸大との得点差は依然として大きく、3連覇も許してしまった。 また、一橋大の選手の中には複数種目に出ている者も少なくはなく、選手層の薄さが浮き彫りとなってしまった。 秋の対校戦では選手の枠が3つになる。そこを見据えて、チームメイト1人1人が夏合宿に臨む必要がある。 東大戦、名大戦では必ずや勝利を収めたい。