「全国高校駅伝2016」
・・・岩瀬 浩一(1966年入学)
第67回全国高校駅伝(男子)は、世羅の3連覇なるか、5000mの平均タイムトップで日本人オンリーの佐久長聖のレジェンド復活なるか、39回連続出場で昨年3位のメンバーのうち主力5人が残る倉敷の初優勝なるかに興味が持たれた。
世羅は1区のエース吉田圭太がまさかの失速で早々と脱落(最終順位8位)。レースは1区名取燎太、2区松崎咲人が連続区間賞を取ってリードした佐久長聖と、1区畝拓夢が5位で粘り3区の留学生ムァゥラに4位でつないだ倉敷の一騎打ちの様相を呈した。
結果は、先行する佐久長聖に対し3区でムァゥラが21秒差を2秒差まで縮め、4区日本人エースの前田舜平が逆転して一気に1分4秒差とした倉敷が、残る3区間を無難にまとめて悲願の初優勝を遂げた。
今大会は、昨年の黄金世代の強豪がごっそり抜けたうえ、日本人最強の遠藤日向(学法石川)がインフルエンザで欠場して全体的に小粒な感がぬぐえなかった。
この中で特に目立ったのは3年生では、1区を見事なラストスパートで制した名取燎太(佐久長聖)、2位となった長身で、マラソン日本記録保持者の高岡寿成を彷彿とさせる塩澤稀夕(伊賀白鳳)だ。 また3000m障害専門ながら3位に入った西田壮志(九州学院)、途中で失速はしたが5000m13’50”の記録を持つ吉田圭太(世羅)、4区で勝利を決定づけた前田舜平(倉敷)、同じく4区で大きな走りを見せた神林勇太(九州学院)らも今後に期待してよいだろう。
2年生では3区で留学生ムァゥラの追撃を最小限に食い止めた中谷雄飛(佐久長聖)、1年生では2区を8’06”の好記録で走り抜けた松崎咲人(佐久長聖)がこの時点では傑出しており、今年どこまで成長するか楽しみに見ていきたい。
(2017年1月9日受信)