「全国高校駅伝2014」
・・・岩瀬 浩一(1966年入学)
昨年の全国高校駅伝は最終区で4校がトラックになだれ込むという空前のデッドヒートを演じたが、今年は下馬評どおりの強さで世羅が約2分差をつけて圧勝した。
昨年1年生でアンカーとして1位で襷を受けながら、最後のスパート合戦で6秒差の4位に敗れた世羅の中島は悔しさをバネに見事な成長を遂げ、素晴しいピッチ走法で4区を駆け抜けて、国体優勝のケニア人留学生カリウキ(青森山田2年)と同タイムで区間賞を獲得した。
加えて3区の留学生カマイシがつけた51秒差を、ここで1分40秒に広げた事が優勝を決定づけたわけで、世羅の最大の殊勲者と言ってよいだろう。
この学年は、昨年羽生(八千代松蔭)や鬼塚(大牟田)が1年生としては破格の爆走を見せ、その他にも新迫(世羅)、關(佐久長聖)、松尾(秋田工)など粒ぞろいで黄金世代を予感させた。
今年トラックの5000mで共に早々と13分台に突入した羽生は今回は故障欠場、鬼塚は予想外の不調で期待を裏切ったが、前述の中島以外でも今西(小林)、長谷川(豊川)、三輪(愛知)、館澤(埼玉栄)らが大きく力を付けてトップクラスの層が厚くなっており、来年はこの世代で5000m13分台続出となることが期待される。
一方では、上位入賞が期待された大牟田が26位、倉敷が53位、昨年優勝の山梨学院大付が42位、名門西脇工が19位といずれも大きく順位を下げており、改めて駅伝における調整の難しさとメンタル面の強化の重要性が浮き彫りになったレースであったと言えよう。
“世羅高校出身で中長チーフの三好優汰君、優勝おめでとう!”
(12月23日受信)