「ボストン雑感」・・・・・宗田 佑一郎(2001年入学)

一橋大学陸上競技部現役・OB/OGの皆様こんにちは、2005年卒業(2007年大学院卒業)の宗田と申します。
大学時代は長距離パートに属しておりまして、その他主務、麻雀パート長等を担当させていただいておりました。
国立から去りましてもう6年になりますが、時折楽しかった大学時代がまだ昨日のことの
ように感じることがございます。
(ちなみに6年経った今でも単位が足らず卒業できない悪夢で目覚めることも多々…。)
卒業後は日本の会社を経て2010年に米国の資産運用会社に入社致しまして、
東京オフィスで1年半ほど勤務した後、2011年11月からボストン本社に所属しております。
28年間全く海外生活をしたことがない純ドメの私でございましたので、
はじめは仕事どころか日常生活もままならず、アパートで食パンをかじって暮らす
毎日を送っておりましたが、最近は何とか食べたいものを食べることができるレベルには成長し、
その結果アメリカンサイズの食事で増量した体重を落とすべく最近は週3,4日10kmほどのランニングを行っており、
何故か大学卒業以来最長の走行距離を踏んでおります。(しかし、体重はなかなか落ちません。
アメリカンサイズ恐るべし…。)
さて、私の住んでいるボストンでございますが、アメリカの中では最も古い街の一つであり、
ヨーロッパ調の街並みが非常に綺麗なところです。以前はThe Departedというアカデミー作品賞の映画で

ご覧いただけるようなアメリカの中でもかなり治安の悪い街でしたが、20年間現職を勤めるMenino市長
などの功績により、現在は全米で最も安全な都市の一つとなっており冬の厳しさを除けば大変住みやすい場所です。
そんなボストンで今年起こったテロ事件は平和な街の空気を一変させる凄惨なものでございましたが、
同時にオバマ大統領が言ったようにアメリカ屈指のtoughな街としてのボストンを強く印象付けるものでした。
世界で最も古い年次のマラソン大会であり、東京やロンドンと並んで世界6大マラソンの一つの
ボストンマラソンで起こった爆弾テロ事件では、爆発直後の混乱の中沿道にいた観客が自らの危険を
顧みず被害者を運び出して犠牲者の数を最小限にとどめ、荷物を回収できずホテルにも泊まれなくなった
ランナーには各一般家庭が食事や寝る場所を積極的に提供しました。
日常生活の中でもこのような光景は
散見され、ベビーカーを押した母親や老人が地下鉄に乗ってくると周りのほぼ全員が席を立って譲りますし、
目の不自由な方が電車に乗ってくれば乗客がこぞって手を引いて降りるのを手伝います。サービスの
クオリティーや仕事の極め細やかさなど圧倒的に日本のほうが優れていると感じることも多くありますが、
上記のような行為が至極当然に行われる社会に暮らしてみて、これまでの自分について考えさせられること
が多々あります。
こちらのコーナーでも見られるように陸上部のOB/OGの皆様には多く海外で
ご活躍の皆様がいらっしゃいますが、現在の現役生にも是非チャンスがあれば海外生活を送って
いただきたいなと思います。
最後になりましたが、現在のボストンはテロからは完全に立ち直り、
安全で過ごし易い以前の街に戻りました。もしお近くにお立寄りの際は是非お声かけ頂ければと思います。
新鮮なシーフード、名物のクラムチャウダー、そしておいしい地ビールとともにお待ちしております!
写真1 今年のボストンマラソン後、Boston Strongのスローガンとともに置かれた参加者の靴
写真2 ランニング中、チャールズ川越しに見たボストンの風景
(2013年7月9日受信)