「ランニングコスト」・・・・・・・・・ 藤澤 隆雄(1967年入学)

藤沢さん
大学の陸上競技部を卒業して40年以上が過ぎ去り、競技部に在籍していた4年間のなんと10倍の時間が流れ去ったと 思うと少し信じがたい気持ちになります。 時間の長短は多分に主観的なものとはいえ、当時の4年間がその後の40年間に匹敵するほど意味深いものだったから かも知れません。

現在は、地方と地方を結ぶ航空路線を展開している潟tジドリームエアラインズ(FDA)という会社に勤務しており、 1年半前の名古屋=青森路線開設以来青森市内に住んでいます。北国出身の諸先輩も多く、何を言っているのかとお叱りを 受けそうですが、東京より北には住んだことのなかった私にとって「青森の雪」には本当に驚かされました。 世界の30万人以上の都市の中では青森が一番降雪量の多い都市とも言われていますが、そもそもそんな雪深いところに 都市を作ったりしないということなのだと思います。昨冬は記録的な大雪だったとは言うものの、初体験の身にとっては 藤沢さん 実に驚くことばかりでした。
「バケツの底をひっくり返したような土砂降り」という言葉はありますが、「バケツの底をひっくり返したような大雪」と いうのもあると実感しました。視界も妨げられるほど、とにかくワサワサととめどなく降り続き、あっというまに 積もっていく様子はよそ者にとっては一種感動的なものでもあり、その後に待ち構えている雪掻きの苦労など忘れて、 つい見とれるたりしてしまいます。

私の勤務する青森空港は、平地より200mほど高い山間部に位置するためもともと雪の多いエリアですが、 それにしても一冬の累積降雪量(毎日の降雪量を単純に積み上げたもの)は15メートル近くになるというから驚かされます。 出張で4~5日空港駐車場に車を放置すると、戻ってきたときにはすっぽりと雪に埋もれていることもしばしば。 盛り上がった雪山のどれが自分の車か分からないというのはまだ序の口。更に降ると一面平になってどこに車が 埋まっているかわからなくなるとも聞きますが、もちろんこれは未体験ゾーンです。 (事務局注:写真3は、原稿の後で送っていただきました) 藤沢さん
そんな厳しい青森の冬ですが、所詮は12月から3月の4ヶ月間の話。5月の新緑、8月のねぶた祭り、 10月の紅葉と四季折々に素晴らしいイベントがあり、日本酒と魚がことさら美味しく、人々の温かさとゆったりした 時間の流れに日々気持ちが和みます。

中学1年生のときに始めた私の陸上競技(長距離)生活は大学を卒業するまでの10年間で途切れてしまいました。 社会人になったあとも時折近くの公園や自宅周辺のロードで走ることはありましたが、学生競技時代には曲がり なりにも速くなりたい、競争に勝ちたいというポジティブな目標があったものの、社会人になってからのランニングでは さしたる目標もないため、いかにも長続きしないものでした。 ところがここ数年来新たな目標が出来て、またボチボチ走り始めています。その目標とは、実は糖尿病対策のカロリー消費。 目標が目標なので、暑さ寒さに耐え、雨風に晒され夜道も走るロード走行などはもっての外。 もっぱら、エアコンの効いた室内で、時間・距離に加えて消費カロリーが目の前で確認できるスポーツクラブの ランニングマシーンを利用することにしています。
ところで30万都市である青森市にはスポーツクラブが2店舗しかありません。それにもかかわらず、 都会に比べると施設利用者はさほど多くなく、特に冬場になると更に減るのは毎日の雪掻きと関係があると睨んでいます。 この雪掻きの体力消耗たるや半端なものではなく、1時間も真面目に雪掻きをすると全身汗びっしょりとなり、 この上スポーツクラブに行く気にはとてもなりません。

標題のランニングコストの話。
もともと夜9時までの勤務日が多く、また猛吹雪の日にわざわざスポーツクラブには行く気にもならないため、 冬場の利用はせいぜい週1回程度。クラブの月会費が9000円なので月に3日しか行けないとすれば1日あたり 3000円。1回8km走るとして1mあたり約0.4円。これって実はタクシーの初乗り料金とほとんど同じなんです。
もっともコストがかかる分、なんとか元をとりたいというケチな根性によって新たなランニングの目標が 生まれるのは良いことだとは思いますが…。

(終)

写真1(さあこれから掘り出しという筆者) 写真2(このように雪に完全に埋もれてしまいます)
写真3(更に雪が降ると、車の姿は見当たりません。1月7日撮影。1月になってから青森は雪、雪、雪です。)

(1月6日受信、1月8日写真追加)