ばて松

「チームかすみがうら2012報告」・・・・川合 健生(1994年入学・投擲)


1.「チームかすみがうら」について
 私たちは4月の第3日曜日、茨城県土浦市〜かすみがうら市で開催される「かすみがうらマラソン」に毎年出場しています。当初は小さな大会でしたが、昨今のマラソンブームを受け、東京マラソン落選組の受け皿としての性格を帯びるようになってから参加者が激増、今年は2万7千人が参加し、東京、大阪につぐ日本で3番目に大きい市民マラソンになりました。 今から17年前、私の3つ上の代の三露さん、葛原さん、坂本さん(いずれも平成7年卒の代)らが中心になってこのマラソンの第5回大会(平成7年1月)に出場したのがこのチームのスタートでした。以来今年まで、姿形を変えながらも途切れることなく続いてきました。つまり、かすみがうらマラソンの歴史とともに存続してきた、大変由緒正しいチームなのです。昨年は震災の影響で大会が中止となったため、今年はチームかすみがうらとしても「復活」の大会となりました。 なお便宜上「チームかすみがうら」としただけで、そんな正式名称はありません。活動内容はシンプルです。年に一度かすみがうらに集合し、フルマラソンを走って、レース後時間のある方はビールを飲んで帰る、それだけです。リーダーがいるわけでもなく、メンバーも固定されておらず、来る者拒まず去る者追わずのとてもゆるい集まりです。参加メンバーはだいたい平均すると10人〜15人ぐらいです。一応いまは私が幹事的なことをしていますが、仕事はお知らせのメールを流すのと、打ち上げで乾杯の音頭を取ることぐらいです。メンバーには現監督の若菜さん、前監督の日渡さん、前々監督の西さんとその奥さまも含まれ、また裏幹事的に動いてくれる東京外国語大学卒の西村君(卒年不詳)などインターカレッジな側面も持つ楽しいチームです。

かすみがうらマラソン 2.レース前日
 レースの前日は土浦駅徒歩5分にある旅館「そめや」に宿泊します。 この伝統は私が参加するようになった第8回大会の頃には定着しており、 そめやとはもう14年以上の関係ということになります。朝ごはん付きで5000円程度と大変リーズナブル。 朝ゆっくり支度ができるし、レース後まで荷物を置いておけたり、 またレース後シャワーを浴びれたり(500円)、色々メリットがあります。 またそめやといえばなんと言っても写真の名物お母さん。 「あーら!いらっしゃい!!」 旅館の壁を突き破る大きな声で毎年私たちを迎えてくれます。今年の前泊者は私と三露さん2人だけでしたが、 毎年私たちのために部屋を直前まで2部屋キープしてくれるなど大変お世話になっています。 土浦は東京から電車で1時間程度なので、実は前泊せずに当日土浦入りでもスタート時刻の 10時には余裕で間に合うのですが、チームかすみがうらのそめや宿泊の伝統は守って行きたいものです。

なお二年前までは前泊組は近所の焼肉屋、ワールドカップで「前日打ち上げ」が恒例でした。 記録を狙って飲まないもよし、カーボローディング狙いで食いまくるもよし、 ただ普通に飲むもよし…。しかし、この前日焼肉については賛否両論がありながら 伝統に流されてきたことも事実で、来年復活するかは議論が必要です。

3.レース本番
 お母さんの「いってらっしゃーい!!」に送られ、いざそめやから出発です。スタート地点の 川口運動公園まではそめやから歩いて10分かかりません。やはり前泊はできるにこしたことはないと思います。 スタート1時間くらい前に、待機場所としてランナーに開放されている野球場のスタンドに集合、 前泊組と当日組が合流します。あとはめいめいがアップやストレッチをしながら近況を交換したりするなど、 スタートまでの時を過ごします。 10時、フルマラソンがスタートです。フルマラソンを走るには明確な動機が必要。 動機なしに走るにはあまりに長い距離です。ランナー達はそれぞれの想いを胸にかすみがうらを走ります。 私の動機といえば「年に一度の修行」といったところです。現役時代は投擲パートで 槍、円盤、砲丸と10種競技をしていました。当時も今もジョギングの習慣がなく、 かすみがうらマラソン 毎年かすみがうらでフルマラソン走る以外にジョギングシューズを履かないという、ダメなランナーです。 毎年10キロ地点を過ぎた頃に思うのは、「来年はちゃんと練習しよう…」。スタートしたことを後悔しつつ、 ひたすら我慢しながらゴールまでの距離が縮まるのを待つのが私のフルマラソンです。 かすみがうらマラソンのコースはそこそこ起伏があるものの、総じて走りやすいです。 よいところはエイドステーションが多いこと。10キロ過ぎてからは約2.5キロごとにあります。 また近隣の方が握り飯やにんにく漬け(あまり美味しくない)などをゲリラ的に ふるまってくれる温かな沿道です。ハーフ過ぎてからは左手に延々かすみがうらを見ながら走ります。 35キロあたりからは広大なレンコン畑が広がる絶景が続きますが、毎年悔やまれるのは、 断末魔の苦しさによりこの絶景を楽しむことができないことです。 それでも今年は気候がよかったせいかタイムがよく、何と5時間を切る社会人ベストでした。

4.レース後
 それぞれのドラマが終わり、そめやに疲労と笑顔が沸き立ちます。シャワーを浴びたりストレッチをしながら、 お互いのレースを振り返り喜怒哀楽、仲間の健闘をたたえあいます。フルマラソンを走り終わった者にしか味わえない 一体感がそこにはあります。走り終わった安堵感と疲労感をかみしめる、まさに至福のひとときです。 そしてチームかすみがうらのメインイベントは、ビールと「とんかつ」による打上げです。 いつしかチームかすみがうらではレース後「とんかつ」を食うことが伝統になりました。 かすみがうらマラソン 長年土浦駅ビルに入っていた「和幸」が打上げ会場でしたが、改装により消滅したため、 一昨年より駅から2キロ程度のところにある地元店「かつ吉」に場所を移しました。 走った後のビールはもちろん美味いのですが、それよりも何よりも、フルマラソンを走ったあとの 「米」は本当に美味い!とんかつ一切れでごはん一膳頂けるくらい。 日本で一番美味しいとんかつはかすみがうらマラソンの後に食べるとんかつである、と断言できます。 レースを振り返りながら、ビールを飲んで、とんかつとお米をほおばり、楽しい夜が過ぎていきます。 そして、また来年の再会を誓いあって、チームかすみがうらの一日が幕を閉じます。

最後に
 チームかすみがうらの活動は今後も長きにわたって継続していきたいと思っています。OBの皆様の健康を確かめ合う場として、またチャレンジの場として、是非とも一緒にかすみがうらマラソンを走ってみませんか。興味のある方は私までご連絡ください。美味しいとんかつを食べましょう!

(6月16日受信)

写真@ 声の大きいそめやのおばちゃん(中央)を新旧幹事が挟むの図、左がこのチームの創始者三露さん、右が筆者
写真A 「復活」の今年は参加が少なく5人でした。左から田代さん(H9卒)、筆者、泉澤君(H13卒)、日渡前監督、西村君(東京外国語大卒)。前泊の三露さんは・・・事情あって参加できずでした。
写真B マラソンの後に食べれば、日本一うまいとんかつになる。